#166
ある男(文學界6月号)/平野啓一郎
2018.5.28~6.3 放送
第166回のベストセラーを読んでみた。
ベストセラーを紹介する前に是枝監督の『万引き家族』がカンヌ映画祭でパルムドール賞を受賞した話から!
前から是枝監督のツイッターをチェックしていたという徳永さん。カンヌ映画祭での模様を逐一写真とともに発信してくれていて楽しみだったと言います。
特に徳永さんが印象に残っている監督の言葉は『メッセージを伝えようと思って映画を撮ったことはない。僕自身が頭の中で描いた家族とどう向き合って、見過ごしてしまいそうな環境や感情をどう丁寧にすくい取るかだけを考えている。どんなメッセージが伝わるかは受け取る側が決めることではないかと思いながら作っている』是枝監督のそんなスタンスが心に響いたと言います。
そんな映画の話もありつつ、
今回のベストセラーは文學界6月号に掲載された平野啓一郎さんの『ある男』
感想は…『誰かが別の人間になりすまして、別の人生をたどっていく人間の狡猾さや心境が綿密に描かれていて面白いと思いました』
さらに平野さんが昔から主張する「分人」の話にも。
「実は人間っていうのは話す相手や出会う相手、その環境によって、自分を使い分ける」そう定義する平野さんの分人主義のススメみたいなことが感じ取れる作品だったと徳永さんは解釈していました。
ぜひ、手にとってみてはいかがでしょうか?
【徳永さんの今週の選曲】
Movie / Tom Misch